あきちゃんどすの

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臨床心理士と公認心理師の違い

臨床心理士の資格は、国家資格ではなく、民間資格になり、指定大学院卒業後、必要課程を習得し始めて、試験資格を所得出来ますが、臨床心理士の資格合格は6割ほどと厳しい状況です。

臨床心理士の国家資格立法は、直前まで進みましたが、医療機関側の強い反対により抑圧された様ですが、2015年9月の第189回通常国会にて、「公認心理師法」が可決され、遅くても2017年9月までに施行されと決定しました。公認心理師は臨床心理士に取って変わるのではなく、臨床心理士の資格は今後も残り、公認心理師と共存していくと結論がでました。

 

臨床心理士と公認心理師の違い

臨床心理士は、精神的な問題を抱えている人、心の問題を抱えている人に対し、外科的治療や薬物治療等の処置はせず、対話によるコミュニケーションを取りながら、心理的内面の治療を実施していく行為です。

臨床心理士は、民間の資格になり資格所得に当たり、臨床心理士指定大学院卒業(1種・2種)後受験が可能となりますが、1種・2種にて受験の違いがあります

1種⇒指定大学院終了後、すぐに臨床心理士試験が受験可能

2種⇒指定大学院終了後、1年以上の実務経験を積んでから臨床心理士試験が受験可能

一次試験は筆記試験(マークシート・小論文)、二次試験は面接で合格率は60%位となっております。

公認心理師は、国家資格になり、2017年9月15日までに施行されますが、公認心理師の資格試験実施スタートは、早くて2018年実施予定です。

2016年10月11日現在、文部科学省厚生労働省による「公認心理師カリキュラム等検討会」情報により公認心理師の概念は、「その業務の適正をはかり、もって国民の心の健康の保持増進に寄与することを目的」と定め、国民の健康の保持促進に役立つ心理専門職の資格と位置付けが決まりました。

公認心理師の受験資格の定義

一・大学及び大学院で、心理学その他の公認心理師になる為に必要な科目を修了もしくはそれに準ずる者。

二・大学で、心理学その他の公認心理師になる為に必要な科目を修了もしくはそれに準ずる者で、一定の施設において、心理に関する支援の業務に従事した者。

三・上記の2つに掲げる者と同等以上の知識・技能を有する者。

と指定していて、大学の心理系学部・学科卒業が前提条件となります。

 

公認心理師 経過措置「受験資格の特例」が発表されています

今回の新たなルールに則り必要課程を終了後、公認心理師の受験資格が発生までに今回の新たなルールに則り必要課程を終了後、公認心理師の受験資格が発生までに七年~八年後となる計算になります。

経過据え置き処置として、「受験資格の特例」が施行され、法律施行前に臨床心理士指定大学院に入学し心理学を専攻していると、臨床心理士・公認心理師、両方の受験が可能となり、この特例を生かし既に心理系大学、大学院に在籍している人は、公認心理師の受験資格が与えられます。これによって2016年現在より2017年9月15日までの間に指定大学及び大学院に在籍していれば、修了・卒業後臨床心理士・公認心理師、両方の受験が可能となります。

公認心理師制度は、今後制定される制度の為、詳細変更の可能性があり、注意が必要になります。

 

臨床心理士が出来る専門行為は4種類あります

その一・各種心理テスト等を用いて、心理査定技法・面接査定に精通しアドバイスが出来る事。

その二・一定の水準で臨床心理学的に精通し、面接援助技法を使い的確な対応、処置能力を持ち的確なアドバイスが出来る事。

その三・心の健康活動に関わり、人的援助システムのコーディネイトやコンサルテーション能力が備わり、的確なアドバイスが出来る。

その四・自らの援助技法や検定技法等、多彩な心理臨床時実践に関する研究結果・調査結果の発表の資質が求められ適切な研究発表が出来る事。

この4種類の業務の他に、心理臨床能力の向上を求められ、5年ごとに資格更新制度が定められています。

臨床心理士資格審査規格」第11条・「臨床心理士に求められる固有の専門業務」4種類

その一・臨床心理査定

診断では無く査定と表示し、診断の定義は診断する立場より診断される側を評価します。

査定の定義は、相手の特徴を評価する専門行為に主眼をおいています。

臨床心理査定は、様々な心理テストや観察面接を用いて、個々の独自性や特徴、問題点をあぶり出し、心の問題で悩む人々の助言の方法を明らかにする専門行為です。

その二・臨床心理面接

臨床心理士とクライエント(相談依頼者)との間の面接中に築かれる、共感・納得・理解・再生等の絆が生まれる大切な空間です。クライエントの性格による様々な臨床心理学的技法(精神分析夢分析・遊戯療法・クライエント中心療法・集団心理療法行動療法箱庭療法・家族療法等)クライエントの心の支援を行う臨床心理士の中心的な仕事です。

その三・臨床心理的地域援助

地域住民・学校・職場と広い範囲に属する人々の心の健康や地域住民の被害支援活動も専門性を生かした重要な活動になります。個人のプライバシーを考慮し十二分に守りながら、心の情報整理や環境整理を行います。

その四・一から三に関する調査・研究

心の問題援助に関する専門機関の為、技術的手法や知識を確実なものにする為に、臨床心理的調査・研究活動を通じ、様々な問題や課題を精査し、事例研究の体験学習は臨床心理士にとって高度専門職種と直結し、自らの専門資質維持・発展の自己研鑚を日々実施、努力をする事が要求されます。

 

臨床心理士の心理治療

自律訓練法

催眠療法であり、大脳生理学者・ボルゲットが1890年に発見し精神科医師・シュルツにより発展された自己暗示による治療です。

心と体の調和がとれ、緊張が和らぎ、疲労回復に効果がある事が解明されました。自律訓練法とは、自己催眠によるリラクゼーション方法で、効果は「いらいら感が消える・精神の安定が見られる・集中力が上がり効率アップにつながる・疼痛や悩みが軽快される」等があります。

 

認知行動治療

自己の行動を制御出来て、自己の行動を改善させる事が出来る様にする為の治療法。

認知行動治療法は、「自分に自信が持てずなかなか行動に出れない・人前に出て発表等を苦痛に感じてしまう・落ち込みやすい」等の改善が治療目的です。精神治療は症状を軽減するばかりではなく薬物治療の様な副作用が無く、再発防止にも効果があります。

 

家族療法

家族治療を受ける患者の多くは、「うつ病・対人恐怖症・不登校アルコール依存症自傷行為・ひきこもり」等の症状が有ります。個人を集中的に治療するのでは無く、家族全員を一つのメンバーとして扱い、個々の抱えている問題点を確認し、人間関係・会話スタイルの再構築を図り、刺激を与えあう独自の有機体としての治療を目指します。

 

<参考>

臨床心理士資格完全ガイド

臨床心理士指定大学院 | 河合塾KALS

臨床心理士ガイダンス

公益財団法人日本臨床心理士資格認定協会

心理職に国家資格!「公認心理士法」成立。心理職の現状とこれからについて。

第189回国会9月2日文部科学委員会 委員会決議

 

臨床心理士の位置づけは、心の問題を抱えた人の特徴や問題点を明確にし、自分の考えを押し付けずに、各自に合わせた改善技法を探し、問題解決の手助けをする立場にいます。

2017年より施行される公認心理師は主治医がいる時は主治医の指示を受け、指導の下カウセリングを行う事。と第42条にありますが、公認心理師業務の専門性・独自性を遵守したルール作りが求められ、自由な行動が抑制され無い様、クライアントの秘密保持が守られる様、公認心理師業務が円滑に行われるよう配慮する事。と2015年9月2日衆議院文部科学委員会・心理専門職の活用の促進に関する件 5条に記載されています。