あきちゃんどすの

その日その時に思ったことを書いておくためのブログです。

児童発達支援・放課後等デイサービス さくらるーむの役割

さくらるーむという、新しい役割を果たす児童デイサービス

車で道路を通っている時に、新しく建っている不思議な雰囲気の建物を見かけた。一度止まって外側を見てみると、「児童発達支援・放課後等デイサービス さくらるーむ」という名前がかかっていて、窓から中を覗いてみると、大人の先生と8人くらいの子供たちが仲良く楽しそうに遊んでいるのが見受けられた。ここは一体どんな場所なのか中に入って職員の人に話を伺うと「ここは発達障害の子どもたちを集めて、集団療育を行うデイサービスセンターです。発達の遅れによる困難や、心の悩みを抱えている子どもたちにとって楽しい場所となるような工夫を、私達職員は考案しているのです」と伺った。

話を聞いたあとに私の自己紹介をして、実は私にも発達障害があるが、自分の弱点や注意すべきところを日々見直して、色々な工夫を考案している、そして趣味の範囲内だけれど、発達障害に関する原稿を考案して、書き綴っているということを伝えて、自分の書いた障害原稿を渡してその場を後にした。

 

その施設の大まかな内容を、詳しく調べて

それから、今回入ったさくらるーむでは主にどんな活動をしているのだろうか、どんな子どもたちがいるのだろうかということが気になったので、インターネットで調べてみることにした。すると施設のある場所やそこでの生活、課外活動なども積極的に行っていて専門家による楽しい療育の方法、利用にあたっての方法などがびっしりと記されていた。その上日々の活動記録はブログで紹介されているので、これから利用しようかどうか迷っている保護者にもよりわかりやすく訴えている。

 

さくらるーむに通う、肝心の子どもたち

今回のテーマとなっている「さくらるーむ」という施設に通える子どもは、だんだん世の中に浸透してきた「発達障害」のある子どもが対象となっている。それらはADHD注意欠陥多動性障害)、LD(学習障害)、自閉症高機能自閉症アスペルガー症候群、チック障害、知的障害が当てはまり、これらの障害はコミュニケーションをとること、じっとしていること、注意力を保つこと、物事を正しく理解すること、時間の概念、文字を書くこと、落ち着いた行動をとることに支援を必要としている。それらは普通学級や特別支援学級ではなかなか実現が難しいので、このさくらるーむで専門的に扱っているのだ。

 

施設内で行われる、日々の有意義で楽しい活動

さくらるーむで主に実践するのは、「遊びながら学ぶ療育」である。もちろんこれらは難しいことを無理に押し付けたりせず、楽しい雰囲気を作り上げて飽きずに何時間でも取り組めるような内容が求められる。この活動を通して「楽しさ」「守るべきルール」「コミュニケーション」「社会性」「言語」「集団生活への適応」「注意力・集中力」を身に着けるようにしているのだ。

具体的な例を挙げてみると、情操、音感、生活習慣をまとめた指導方法・リトミックを積極的に行い、職員が組み立てたサーキットで運動をしたり、ハサミやのりを使い、自分ならではの工夫を生かせる工作も行う。もちろんやることはこれだけではなく、外にある畑で野菜を育てて食べるなどの食育や、カレーライスやお好み焼き、そうめんなどの料理を協力して作るなどのクッキング活動、さらには別々の施設同士で集まってとっておきのお楽しみ会をしたり、美術館や青少年科学館、近くの公園やアスレチック施設などへ遠足にいくという活動も取っている。

 

行う活動1つ1つには、きちんとした意味がある

先ほど紹介した、さくらるーむ内で行われる活動1つ1つは、きちんとした意味がある。例えば体を動かすリトミック、運動は子どものリズム感を養ってくれて、これまで生じていたぎこちない動作が改善されるのだ。そしてハサミやのりなどを使う工作は、手元に注意が行き集中力を鍛えてくれるとも言われている。さらに時々行う遠くへの社会科見学・遠足では、今までいた場所では感じられなかった新たな感覚を覚えたり、斬新なものを見ることであまり使っていなかった脳が活性化、発達していくのだ。もちろんそこでの見学や体験を通して将来への知恵が育まれていくことも実証されているから、好奇心旺盛な子どもたちは社会科見学や遠足が大好きな方が多い。

 

保護者にも、嬉しいサービスを取り入れている

さくらるーむを利用する時は、障害の診断を受けてから役所で受給者証を取って、来る曜日を決めて毎月利用料金を払わなくてはならない。ちなみに利用料金は生活保護を受けている世帯や市町村税が課されていない世帯は全額免除になるのだ。さらに、保護者が仕事に出ていて送り迎えができない時には送迎サービスもしているので、あまりお金がない、忙しくて子供を送り届けることができないという保護者にもすごくありがたい。そして通所している子供の最近の様子を保護者同士で交換できる茶話会も時々設けているので、子供だけではなく親にもすごく役立っているということを伺える。

 

活動を通して、子どもたちはどうなったか

この施設に通う子どもたちは、みんなここに入るまでは幼稚園や小学校で集団行動ができない、じっとしていられない、学習面で困難を抱えている、乱暴な行動を取ってしまう、お友達と仲良く遊べない、自分の気持ちが伝えられない、言葉を話すのが遅いという問題点が見られていた。しかしさくらるーむに通ってみることで、少しずつだけど今までではなかった生き生きとした表情や、ルールをきちんと守ること、最低限の社会性、自分の気持ちの表現などが見られてきたという報告があった。

今から10数年前は、大人でも子供でも発達障害に対する理解なんて全くなかったので、当事者たちはわがままでしつけがなってない子供だ、手が付けられない問題児、本人の努力不足だとみなされてきた。もちろんさくらるーむのような専門施設なんて全く皆無で、子どもたちも親も非常に途方に暮れていたと感じる。しかし2000年代になって、やっと発達障害の理解が少しずつ進んできても、やっぱり一部では認められないという問題点は生じている。そのような子どもたちの受け皿となるのが、やっぱり児童発達支援・放課後等デイサービス さくらるーむと言える。

 

さくらるーむにこれから期待すること

これまで紹介してきた「児童発達支援・放課後等デイサービス さくらるーむ」の特徴は、発達障害のある子どもたちを丁寧に指導、療育してくれて、今まで見られなかった笑顔や楽しさを与えてくれる役割を担っているということが第一にある。そして子供だけではなく大人にも嬉しいサービスを設けていて、気軽に通わせたくなるような立派な施設へと発展していることも伺える。やっぱり発達障害の子どもたちは家にただ閉じこもっているより、他の子どもたちと触れ合って色んな工作や遊び、クッキングをすることや、遠くへ社会科見学に行くことで、生きる力を身に着けていくのだ。しかし残念なことに現在さくらるーむは北海道内で5か所しか設置されておらず、だんだん空きがなくなってきているという問題点が生じている。だけど支援を必要としている発達障害の子どもたちにとっては十分に楽しい場所となっているので、これからは北海道内だけではなく全国にさくらるーむの施設を拡大して、より療育に行かせる活動の幅を増やしてほしいということを望む。